第20章 いつまで貴方のお側で~ランスロットBD~
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「久しぶりにランスロット様の運転でドライブなんて嬉しいです。」
「あぁ、そうだな。しばらく二人で出かけることもなかったからな。」
施設を出てそのまま帰るのはもったいないと、ランスロットの運転でドライブすることになった。
窓を開ければ冬の冷たい風が肌にあたり、空気をヒンヤリとさせる。
ただ、冬の乾燥したこの時期の空気は星を一際綺麗に見せる時期でもあり、ランスロットはふとある場所を思い出しその場所へ向かった。
「歌恋、このままドライブするのもいいが、お前に見せたい場所があるのを思い出した。そこへ向かうが良いか?」
「ランスロット様と一緒なら大丈夫ですよ。」
歌恋がそういうと近場で方向転換し、しばらくまた車を走らせると、
人気のない丘の上に着き、そこで一旦車を停めることにした。
そこはクレイドルのなかでもガーデンと同じくらいの星が近く見える場所。
眼科に広がるのはクレイドルの街並み、見あげれば満天の星空。
冬の乾燥した空気で星がさらに綺麗に見え、周りに余計な灯りもないことからより星が近くに見えるのだった。
「わぁ……綺麗……星がこんなに近くに見える……」
初めてみるその景色に僅かな言葉だけ発したが、その表情は本当にその景色を見て感動し、見とれている……それだけだった。
「あまり見とれていると風邪をひくぞ。」
しばらくその景色に見とれている歌恋にふと優しく笑みを浮かべると、自分の上着をそっとかけた。
「ありがとうございます。ふふ、暖かいですね。」
(ランスロット様とふたりきりで星空を見れるなんて幸せだなぁ……)
ランスロットの肩にもたれ掛かりながら、しばらくのあいだ二人でクレイドルの街並みや星空を眺めて過ごしたのだった。