第20章 いつまで貴方のお側で~ランスロットBD~
「ランスロット様の運転なんて本当に久しぶりですね。」
「あぁ、普段は誰かしらが運転しているからな。」
「施設の子ども達、ランスロット様が来たらきっと喜んでくれますよ!」
「そうだといいがな。」
しばらく車を走らせ、クレイドルの外れにあるとある自然豊かな場所にある所にある開放された建物。
それこそかクレイドル初めての身寄りの無くした子どもや、事情があって育てられない親の為にと作られた施設。
会社から車まで少し走らせた所にあり、施設に着くまでの間、久しぶりの二人きりの時間をたわいも無い話やらで堪能していた。
10年程まえに大規模な改装工事をしたその施設。
明るく、広くて自然豊かな庭、気の温もりのある建物。
都会の喧騒とはかけ離れたそこは、子ども達の楽しそうな賑やかな声が日々聞こえていた。
・・・・・・・
「こんにちは。」
「これは、これは、歌恋様と、ランスロット様。」
対応してくれたのはこの施設の園長。物腰の柔らかい女性。
園の中をグルッと見回り、子ども達が集まるホールへと向かう。
「あぁ、最近変わったことは無いか?」
「お陰様で、毎日子ども達も元気いっぱい過ごしてます。」
「そうか、なら良い。なにか不都合があれば直ぐに連絡するといい。」
「ありがとうございます。」
そうこうしているうちに子ども達の集まるホールに着くと……