第4章 短冊に込めた願い~三成編~(微裏)
『七夕の 夜空にかかる 天の川 願わくば 貴女のもとへ 逢いにらむ』
ー七夕の夜空にはきっと綺麗な天の川が見えることでしょう。その時に私は愛しい歌恋様の元へと逢いに行かせてくださいと願うことでしょうー
『逢えぬ今 流れる星に 願い込め 愛しき花に 綴らむ』
ー貴女に逢えぬ今、流れ星に愛しい花のように美しい貴女に合わせてくださいと願うことでしょうー
『約束していた七夕の日までに戻るのは難しくなってしまいました…。本当に申し訳ありません。逢えぬ今は空を見つめ、星に貴女に会わせてくださいと願ってしまいます。あと5日ほとで戻れるかと思います。戻ったら歌恋様と“でーと”させて下さいね。
石田 三成』
歌が二首も一緒に書かれていて三成なりの精一杯の“らぶれたー”だった。
(三成くん・・・、本当優しいな。七夕にデート出来ないのは残念だけど無事に帰ってきてくれれば…)
そのまますぐに返事を書き安土城の笹に飾る短冊も一緒に入れた。
『三成くんへ。
貴方が無事でいてくれて本当によかった。戻ってきたらたくさん話を聞かせてね。
私の短冊のお願いも一緒に流れ星にお願いしてください。』
短冊には【三成くんと少しでも長く一緒にいられますように。】
歌恋は三成と文のやり取りができるようになりたいと思い、秀吉に戦に行く前から字を教わっていた。
現代と違い流れるような書き方で、最初は中々読めなかったが、『三成君とと文のやり取りができるようになる為なら頑張る!』と寝る前や、お針子の仕事の合間などで秀吉に教えて貰っていた。