第19章 ~淡き恋心とFaint memory~【徳川家康生誕祭】
その少し前安土城にて。
「秀吉。此度の俺と波夢の祝言に伴い、歌恋の存在を公表する。しばらく安土城で暮らさせる。」
「御館様っ……!それは……。よろしいのですか?」
「それでだ、祝言で慌ただしくなる前にここへ連れてくるようにするが、誰か護衛をつけさせるが、秀吉、貴様に任せる。」
「はっ、かしこまりました。それなら家康ではどうかと……?」
「ふむ、それはおもしろそうだな。しかし、何故にあやつだ?」
「本来ならば、俺が……と言いたいところですが、祝言の準備やらでそこまで手が回らず。三成はそもそも自分の寝食を忘れる位に書物に夢中。政宗は少々手が早いところがある……、それに祝言の宴の料理はあいつが仕切るのでそこまでは……
光秀は……ん〜」とある意味消去法で家康が選ばれたのだった。
そうしてお世話役を任された家康。
「家康、貴様に俺の大事な妹の世話役を申し付ける。」
「はっ?なんで……」
「三成はそもそも自分の事が疎かになる。俺は信長様の祝言の準備やらでそこまで手が回らない。政宗、光秀には任せられん。ということで、お前しか居ない。」
「なんだー、俺なら上手い物沢山食わしてやって遊んでやるのにな。」
「政宗さん。あんたは宴の料理の準備でそれどころじゃないじゃないですか。」
「という事だから、家康、お前は歌恋が来たら護衛兼お世話係頼んだぞ。織田家の大事な姫君でもあるんだからな。くれぐれも……」
「秀吉、そこまでにしておけ。」
秀吉のお小言含んだ話が長くなりそうな所で、信長がタイミング良く声を掛け話は終わり、それから数日後には歌恋が登城し、お世話係ということで二人は出会った。
これがきっかけで二人は互いを惹かれ合うまでに時間はそうかからなかった……
それから月日は経ち……