第17章 ~恋人は先輩パティシエ☆秘密のケーキは甘さ控えめ?伊達政宗
自分たち用にと買った物が入たその袋を後ろに回し、ふと俯き呟いた。
「最近忙しかったし、こんなに長い時間一緒に二人きりなんて久しぶりだね・・・・・」
足元を見つめ俯きながら少し前を歩く歌恋・・・
「そうだな・・・」
この所最近忙しく一緒に休みも中々取れず、デートもまともに出来きないため。双方の家に行くか夜に軽くドライブ行く程度だった。
(この所店も忙しいし、また雑誌の取材はくるし、クリスマスケーキを準備もあったしな・・・付き合って半年なのにこれじゃ歌恋も寂しいだろうな・・・)
急に立ち止まって振り向きざまに・・・
「最高のクリスマスケーキ作ろうね!」
ほんの少しの間の後に振り向き様に長い髪の毛が横に流れ、その後から見えた歌恋の飛びっきりの笑顔が夕焼けに照らされ、あまりの美しさに言葉を忘れそうだった。
(ったく・・・)
トスン・・・
ぎゅっ・・・
「っ・・・///まさ・・・む・・・ね?」
持っていた袋が地面に落ちた音が響き身動きが取れず、掠れた声で名前を呼んでみた。
「当たり前だ。俺と一緒に作るんだ。」
「んっ・・・?!」
ふいに上から政宗の顔が近づき、顎を掬われ唇が塞がれた。
時間にすればほんの数秒かもしれない・・・
だけど、その時の私にはまるで時が止まったようにすら思う程長く感じた。