第17章 ~恋人は先輩パティシエ☆秘密のケーキは甘さ控えめ?伊達政宗
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「はぁーもぅ凄かったね!沢山粉もあったし、お砂糖も微妙に違う物がいくつもあって選びきれないよ!」
「おいおい、はしゃぎ過ぎて転ぶなよ。」
「大丈夫!!ねぇ、次あそこ行ってみよ!」
政宗の腕を引っ張って子どものようにはしゃぎ、次の目的地へと誘導した。
次に向かったのはリキュールや洋酒が並んでいるブース。
少し離れた所からでも何となく甘い香が鼻につく。
「ほどほどにしておけよ。」
「分かってる!!」
そう政宗に言われたはずが・・・
「素敵なレディにはこちらのはどうですか?」
「わぁ!いい香り!甘いけど甘ったるすぎないし、普通にカクテルみたい!」
「こちらのケーキはまた別の洋酒を使っているんですよ。」
「んー!美味しい!ちょっと大人向けかな?」
結局はしゃぎすぎて沢山の種類の洋酒やリキュール、ブランデーを試飲したり、それらを使ったケーキやデザートなどを味見したりとし、ほんのり顔は赤くなり、少し酔い気味になっていたけど何故か自分ではそんな風には感じてなかった。
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「おい、大丈夫か?」
「うん・・・ちょっと試しすぎたかな・・・暑くなってきた…」
10月も半ば。風が吹けば少し肌寒く感じる季節。
完全にお酒が周り、体温を上げていた。
幾つか今回のケーキ用や、試しにお店で使ってみようと買った物をお店に纏めて送ってもらうことにし、自分たち用にと買った物だけ持ち帰り、駐車場までの道のりを歩いていた。
「行きと違うけど・・・いいの?」
「あぁ、誰かさんは足元ふらついてるし、こっちの方が人混みも避けられるし、ゆっくり帰るのもいいだろ。」
「そんなに酔ってないよ?!でも、今日・・・楽しかったね。」
「あぁ、お前はしゃぎ過ぎだし。寒くないか?」
あたりは夕焼け空から少しずつ暗くなり始める頃。
「大丈夫だよ!まだお酒残って暑いくらいだし!」
会場内ではしっかりと止まっていたシャツのボタンが今は暑いからと外され、そこからチラリと見える鎖骨から胸元はお酒のせいかほんのり赤く染まっていた。