第17章 ~恋人は先輩パティシエ☆秘密のケーキは甘さ控えめ?伊達政宗
「何、一人浮かない顔してんだ?」
「政宗!?」
スーツをラフに着こなした政宗が壁にもたれ掛かり、片足は上げ腕を組んで待っていたのだった。
「行くぞ。」
「う、うん・・・」
(わぁー、政宗のスーツ姿で前にひまりちゃんとの対談で着てた以来だけど、かっこいいなぁ・・・//)
「ほら、早くしないと置いていくぞ。」
「あっ、待って!」
先に歩く政宗のあとを追い、腕に絡まりながら歩き、政宗の運転で会場近くまで車で行き、そこからまた歩いて行くことに・・・
会場までの道のり、ふと政宗に聞いてみた。
「そういえば、車で来て大丈夫だったの?」
「あぁ、俺は飲まないからな。だからリキュールやお酒関係はお前のセンスに任せる。」
「えっ?!一緒に試してくれるんじゃ・・・」
「俺は下戸なの知ってるだろ?まっ、酔ったら介抱してやるから安心しろ。」
「もぅ・・・///」
そんな話をしながらだったからあっという間に会場まで着き、入口で招待券を渡し、様々なブースを回る。
【政宗視点】
歌恋と二人でペアを組める事になり、なんとしてでもこいつの夢でもあるクリスマスのメインケーキの担当をさせてやりたかった。
入ってきた時からセンスが良くて、作るものは優しく可愛いらしい物が多い。最初からいい線に行くもあと一歩でメインのケーキ担当を逃す。
それでもクリスマスは他のケーキやらでかなりその時期は忙しい。
そんな頑張る姿、本当に楽しそうに作る姿、それが目について気づけばこいつに惚れていた。
そして半年前、ようやく付き合う事に。
前のヤツのことが忘れらないから・・・と散々待たされたが、待った分俺は全力で歌恋を可愛がるし、大事にする。
隣りでキラキラ目を輝かせて色々な物を見るその姿。
(あぁ、本当に可愛い・・・)
絶対に今年のケーキは過去最高の物にする。
今年のクリスマスが終わったら・・・
そんな事を考えながらはしゃぐ歌恋を見つめていた。
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