第16章 かぐや姫~家康Ver.
「私がいた時代には【絵本】って言って、絵が書かれたものにお話が書いてあるものがたくさんあったの。」
歌恋からその話を聞いた信長が読み聞かせを始めるのにあたり、物語が書かれてる巻物や、海外から取り寄せた本等を集め、その中から冊子状にし、子ども達が読みやすいようにと協力してくれたと話した。
「へぇーあの人がね。」
「うん、おかげで小さい子達も読めるようになってねみんなとっても楽しそうなんだよ!」
イキイキとした表情で話す歌恋を優しい眼差しで聞き、ある提案をした。
「じゃ、歌恋がその話を読んでよ。子ども達に読み聞かせてるように。」
「えっ?!家康に・・・?」
「何、子ども達には出来ても俺には聞かせなられない理由があるの?」
家康の顔が目の前まで迫られ、そのまま後ろへ下がるも壁に当たり目線をそらせず・・・タジタジな状態で答えた。
「わ、わかったから・・・、家康・・・顔・・・ち、近いよ…」
「じゃ、読んでくれるんだね。」
ちょうど今日は中秋の名月。満月が高い位置で下界を明るく照らし、灯りを付けなくても読めるほど。家康の提案で、御殿の縁側でかぐや姫の物語を読むことになった。