第15章 【KAGUYAHIME~かぐや姫~】
「かぐや姫の話を聞いたおじいさんは帝にその事を伝え、帝は次の満月の夜に都の兵士達を集めて、かぐや姫を月へは帰らせないとおじいさんに約束するのでした。」
―そして満月の夜・・・
「「かぐや姫の事は私が守ってみせる。月へは帰らせない。」そう帝はかぐや姫にいいました。」
その言葉を聞いてランスロットはふと、歌恋と将来を誓い合った日のことを思い出した。
『歌恋・・・、俺の妻となってくれないか?俺はもうお前が居ないとどうにかなってしまいそうだ・・・』
『はい・・・。ずっとランスロット様の側に居させて下さい…。私もランスロット様が居ないと駄目になっちゃいましたから・・・』
アモンの魔法を受け瀕死の状態になり、自分の魔力を使い助け目覚めた後、しばらくしてガーデンで白い薔薇と一緒に満月の夜に交わした約束。
その時の光景を思い浮かべながらアリスの話へと耳をそのまま傾けていた。
(本当に歌恋の声は心地よく、気持ちいいな・・・。)
そんな事を思っているとは知らないアリスは穏やかな声で話を続けた。
「しかし、月からの迎えがくると屋敷の周りにいた兵士達は皆眠りにつき、かぐや姫とおじいさんおばあさん、帝だけが起きていたのでした。そして、月から一本の道が出てきててのです。」
―かぐや姫、迎えに来ましたよ―
「かぐや姫はいいました。『私は月へはかえりたくありません』と。」その願いは叶う事も無く・・・」
ふと、歌恋が読むのを止めたのだった。