第15章 【KAGUYAHIME~かぐや姫~】
それはまるで月から光の道が掛かり、吸い込まれるかのように思えたランスロットは思わず歌恋の横から頬にそっと手を触れ存在を確かめた。
「・・・っ?ランスロット・・・様?」
「なにをそんなに真剣に読んでいるのだ?」
いきなりランスロットの存在に気づいた事と、そっと手を触れられた事で驚いたが、すぐに我に返り質問に応えた。
「えっと・・・科学の国、ロンドンからは遠く離れたある国のお話に良く似た本を見つけたので・・・。あっ、おかえりなさい!」
「あぁ、待たせたな。それはそうと、それはどんな話だ。」
「えっ・・・」
珍しくランスロットがおとぎ話に興味を示した事で驚いたが、自分を見つめる瞳が好奇心旺盛な少年のような瞳で見つめていた事に気付き、ランスロットが向かい側にあるソファーに腰掛けたのを見てその話を始めた。