第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
お見合い当日。
家康に迎えにこられてとある大名屋敷に向かう歌恋。
昨日の夜から何となく身体がだるい感じはあるも、とりあえず信長様の命令だし、と行く事にはしたが・・・。
(風邪でも引いたかな・・・?喉がなんか変だし、ボーッとする・・・)
家康から「とりあえず、あんたはあんまり喋らないで座ってればいいから。」と言われたからまだいいが・・・。
「光秀さんは・・・、来ないんですか・・・?」
ボーッとしたままで話したから声が少し掠れ、途切れ途切れな感じになってしまった。
「光秀さんなら先に向こうに行ってるよ。」
(光秀さんのあれもう効き始めてる・・・、変な事にならないといいけど・・・)
途切れ途切れで、掠れた声で家康はすぐに光秀の例の作戦が思い出され、このあとの事を思うと気が気じゃなかった。
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「はじめまして、一条照臣(いちじょうてるおみ)と申します。」
「こちら、信長様預かりの歌恋姫です。」
光秀が照臣に紹介する。屋敷に着き光秀からは必要最低限しか話さなくて構わないと言われ、自己紹介も、その後の話しも基本的にはほとんど口を開くことなく過ぎていった。
(あの・・・大丈夫なんですか?、私と話がしたいって言ってたんじゃ・・・)
照臣が自慢の物を持ってくる為に一旦部屋から離れた時に、光秀に聞いてみた。
「あぁ、構わない。一方的に喋らせておけば満足するだろう。」