第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
信長に仕事を頼まれてから3日目のこと。
ようやく城下に出掛ける用を頼まれた歌恋。
「流石に3日も城の外に出ないなんて・・・でもおかげで目の腫れは引いたし、少しはひどい顔も落ち着いたから信長様に感謝しないと。」
信長は歌恋がここ数日夜一人になると泣いている事を知っていた。顔を見れば分かるが、女中から昨日も泣いていたと報告があがるほど。
光秀に歌恋と秀吉の件で話をしたいと言われていた信長は、久しぶりに城下へ金平糖を買いに行く使いと、新しい着物を新調できるようにとお金を渡した。
そして、歌恋が出かけたのと入れ違いに光秀が・・・
「失礼します。」
「来たか、光秀。」
光秀は信長にとある提案をした。
それは秀吉と歌恋が仲直りする為にちょっとした善意と悪戯が混ざったもの。
「ほう・・・それはなかなかの策だな。」
脇息にもたれかかり、ニヤリと笑を浮かべた信長。
それは秀吉が安土に戻る3日前に実行される事になった。
その作戦は政宗にも秘密裏に伝わり・・・
「へぇー、なかなか面白そうだな。ちょうどいい機会だしな。」
安土城の武将全員を巻き込んだ、なんとも大掛かりな仲直り大作戦になっていた。