第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
《秀吉目線2》
「別に・・・、あいつらと逢瀬の約束をした訳じゃ無いだろ!」
「もういいよ!あの時、私しかいないって言ってくれたのさ私をだく為の口実だったんでしょ!」
(なんだ・・・、言いたいのはこれじゃないのに、まるで家康だな・・・ちくしょう!)
もうどうしていいか分からなくなって居たのかもしれない・・・。そんな事は無いと分かっていても出てしまったその言葉は取り消せない。
「お前だって、あの時家康と一緒に居たのはどうなんだよ!」
「えっ・・・」
「お前だって一緒じゃないか・・・」
必死になって伝えようとするも伝わらないもどかしさで、夢中で歌恋の肩を掴んで壁に押し倒すような態勢になってしまった。歌恋が痛がる言葉をしていてもそれは俺には何故か届かず・・・
「んっ・・・?!」
その拍子に思い切り口付けをしてしまった。
これ以上余計な言葉を紡ぎたくない、歌恋に俺の気持ちが伝わって欲しいと夢中だった・・・
「・・・っ、知らない・・・」
「えっ・・・」
ーパーン!!ー
「「もー秀吉さんなんか知らない!!」」
秀吉の頬に思い切り歌恋が平手打ちをし、乾いた叩いた音と、歌恋の涙声で言った言葉が廊下中に響いた。
叩かれた痛さなのか、それとも傷付けてしまった事の痛さなのか、それとも歌恋に放たれた言葉で傷ついたのか・・・。
自分のとった行動をあとから思い返せばありえないと思えるのに・・・。
俺はなんてことをしてしまったのだとーーー
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その次の日の早朝、政宗と秀吉の率いる部隊は安土城を離れ、遠方へと向かった。
お互いの心の傷は癒えないままで・・・