第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
《秀吉目線》
歌恋に見られてから信長より急な仕事を頼まれ、まるで避けるように城にこもった秀吉。
(よりによってあの日から信長様に仕事を頼まれるなんて・・・。絶対歌恋勘違いしてるよな・・・)
その日から3日後・・・
中々城の中でも歌恋と会う機会が無く・・・
いつも通りの仕事に戻った歌恋の姿を見かけた秀吉が廊下で歌恋を呼び止めた。
(明日から遠征でしばらく帰れない・・・、今日しか話す機会が無い。)
焦る気持ちを抑えながら・・・、そしてちゃんと気持ちを伝えたい。ただそれだけのはずで呼び止めたのに・・・
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「歌恋・・・!ちょっと今時間あるか・・・?」
「あっ・・・秀吉さん。ごめん・・・急いでるから」
一瞬表情が明るくなるもそれは幻だったのか…すぐに俯きその表情はやはり暗いものだった。
「あぁ、なんだ・・・、こないだ城下での見たんだろ・・・?」
「えっ・・・?、う、うん・・・。」
「あぁ、なんだ・・・、誕生日に一緒にいられないと話したら、中々離さなくてな・・・。」
「ふーん。」
「悪いと思ってる。」
「もういいよ。」
「えっ?」
「どうせ、秀吉さんは私よりもああやって大人の女の人がいいんでしょ!私はあの人達みたいに大人の女性には程遠いし、どうせ妹のまましか見れないんでしょ!!」
「待てよ!どうしたんだよ・・・歌恋!」
歌恋から出てきた言葉は俺には予想もつかなかった…。
だからといってああいう大人気無い言い方じゃなくても良かったと後からなら思える言葉しかでてこなかった。
「な、なんだよ!いきなり言い出したと思ったら・・・!」
「だってそうでしょ?!女の人達に囲まれてデレデレして、誕生日には私と逢瀬に行く約束してくれたのに…!」
「別に・・・、あいつらと逢瀬の約束をした訳じゃ無いだろ!」
(なんだ・・・、言いたいのはこれじゃないのに、まるで家康だな・・・ちくしょう!)
すれ違う言葉しか出てこない二人。俺はなんであんな行動を取ったのか・・・余計にそれは傷付けるだけでしかないのに・・・