第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
「ちょっと、私も渡すものがあるのよ!先に渡すなんて!」
何人もの女の人達が、秀吉の誕生日が近いからとたくさんの贈り物を渡しあっという間に秀吉の腕はその贈り物でいっぱいになり、そのまま女の人と歩いているのを見てしまった歌恋・・・。
荷物でいっぱいになった前の視界。横目で周りを見ると歌恋の姿が見えた。
すぐにその場を離れる歌恋と、家康の姿が見え、声を掛けたかったが、あっという間にその視界は女の人に塞がれ、結局見失ってしまった。
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「歌恋・・・?こんな所で何やってるの?」
「あっ、家康・・・。な、何でも無いよ・・・」
ちょうど城下で仕事があり、終えた所で歌恋の姿を見つけた家康。その場から離れない様子を不思議と思い声をかけると、うっすらと目には涙が貯まっていた。
ふと視界を前にやるとそこには女の人達に囲まれ、腕には荷物がたくさんの秀吉の姿が見え、家康は一瞬で事を理解すると歌恋の肩に手を置き、一旦近くの茶屋に連れていき話を聞くことにした。
「とりあえずここを離れた方がいい。来て。」
「うん・・・。」
「近くに茶屋があるから。」
家康的にはもっといい事言えないだろうかと思いながらもとりあえず茶屋に連れていき、そこで今にも泣きそうな歌恋の話を聞いてあげた。
「とりあえず今日はちゃんと御殿に戻った方がいい。」
頑なに御殿へは帰りたくないと言った歌恋。
とりあえず秀吉も事情を話してくれるだろうからとなだめ?秀吉の御殿へと送って行った。