第14章 秀吉birthday*世話焼きは世話が焼ける?
約束の5日間が終わり、次の日の朝、信長から約束の手間賃だと渡されたその額はまさかのその反物が買える額が入っていた。
「えっ・・・信長様、こんなに頂けません!」
「これは約束した分しか入っていない。それで秀吉に羽織を作るのだろ。」
「なんでそれを・・・。」
歌恋は信長に感謝の気持ちを精一杯伝え、天主をあとにした。
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(よし、これであの反物を買って、持っている残りのお金でちょっと高い糸買おう!)
意気揚々と城下のそのお店に行くと・・・
「えっ、無いんですか?」
無くなると行けないからと取り置きしてもらっていたはずが、店の間違いで違う人に売ってしまったとの事。
「申し訳ございません。すぐにその方を探したのですが…」
「わ、わかりました・・・。」
半ば放心状態でそのまま城下を歩いていると・・・
「ねぇ、秀吉様~たまにはうちのお店に来てくださいよ~。」
「えぇー、うちのお店が先よ~。」
「おいおい、そんなに絡むな・・・。順番に話を聞いてやるから。」
秀吉が女の人達に囲まれてデレデレしてる姿が見えた。
「ねぇ秀吉様~もうすぐ誕生日ですよね?誕生日はご予定あるんですか?」
「秀吉様~。お誕生日は私と一緒に過ごしてくださらない~?」
「あら、抜けがけなんてズルいわ!私の方がずっとまってるのよ!」
(えっ秀吉さん?しかも女の人達がいっぱい・・・、みんな美人・・・。)
「おいおい誰とも約束してないだろ?」
誰にでも優しい秀吉なのはわかってはいるが、やはり綺麗な女の人達に囲まれてデレデレしてるのは見ていていい気分じゃない。
「秀吉様〜、私秀吉様にぴったりだと思って羽織を作って貰ったの。これ受け取って下さらない?」
(えっ?羽織・・・?)