第13章 秘密のバレンタイン♥️ 家康×現代
翌朝。
朝食を早めに済ませて部屋に戻りもう一度口紅を塗り直し、メイクと洋服の確認。
「うん。大丈夫!」
家康とお揃いのニットの防止をかぶり、ボアコートで寒さ対策はバッチリ。中はシンプルにワンピースにタイツ。パンプスを履いて足元はスッキリ見せてモコモコ感を出しすぎないようにと。
最後にお気に入りの翡翠の石がついた小ぶりなピアスを付け、鏡で位置などを調整し、部屋の隅に置かれていたキャリーと、昨日の夜信長に貰ったバックを持って玄関に向かう。
(うぅー寒い・・・家康まだかな・・・)
はぁーと息をかけ、擦り合わせて寒さを凌ぐ。
コートのポケットに携帯を入れているが、特に連絡は無くきっと向かっているのだろうと・・・。
(楽しみだなぁ。また家康とあそこに行けるなんて。)
マフラーで顔を隠し、寒さを凌ぎながらも思い出が蘇り思わず笑がこぼれる。すると後ろの玄関がいきなり開き、ネグリジェに上着を羽織った信長が出てきた。
『外でまつのもいいが風邪をひいたら根も葉もない』
そう言って一旦部屋に入るように促したが、すぐに1台の車が入ってくるのが見えた。
『あっ、家康!!』
車の窓越しに目が合い『待ってて』と合図。
家康の迎えが来て嬉しい気持ち半分、信長がいる手前そこまで出せずにいた。
「気をつけて行ってこい。」
「はい!」
「あと、忘れ物だ。」
「あっ!大変!忘れないようにって置いておいたのに・・・!」
信長に渡されたのは家康用に作ったチョコと、三つ葉のクローバーの飾りが着いた手袋。
それらと一緒にサンドイッチが入っていた。
「あれ?サンドイッチ?」
今日朝早く出ると聞いてお手伝いさんに頼んでおいたこと、そして・・・
『どうせあの馬鹿はろくに食べずに来てるだろうから食わせてやれ』と。
信長の優しさにが温かい気持ちになり『行ってきます!』と一言言って家康の元へと向った。