第13章 秘密のバレンタイン♥️ 家康×現代
その日の夜、家で久しぶりに信長と二人で食事を取った歌恋。
信長に政宗のところで夜お菓子作りを教えて貰う事を話すと・・・
「ならば屋敷のキッチンを使え。」
夜遅くなることを心配したのか、それとも同級生と言えども政宗も男・・・、二人きりになるのが心配なのか・・・、どちらにせよ可愛い妹の心配をする優しい信長だった。
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それから何日かして、一月下旬、政宗と一緒にバレンタインのお菓子作りが始まった。
「そうだ・・・チョコはゆっくり溶かして行くんだぞ。水が入ったら1からやり直しだ。」
「うん。」
お菓子作りや料理は好きでよくやっていた。とはいえプロに教えて貰う機会なんてそうめったに無い。今年こそはありきたりでは、無いチョコを作りたい!と考えていた。
「ある程度型に流したら余分なチョコはもう一度中に戻しておけ。」
政宗が、見守りながらも優しく声を掛け慎重に一つ一つ行っていく。
「うん、そうだ。中々いい感じじゃないか?」
「ふー、よかった!なんとか形になって!」
政宗に教えて貰った世界に一つだけのオリジナルチョコが完成した。
パクっ
試しにいくつか作ったものの中から試食してみる。
「んー美味しいー!!ちょっとピリッとするけど辛すぎ無いし、ちゃんとチョコの味もするね!」
「あぁ、この配分が一番肝心だからな。家康ならもう少し辛い方がいいだろうが、まぁ、たまにはこのくらいで我慢するのも、悪くは無いさ。」
政宗が編み出した、絶妙なバランスの取れた辛いものが好きな家康用のチョコ。
この配合はお店の新メニューにもいれるらしく、政宗は歌恋に「家康とまた食べに来いよ!」と言ってくれ、その日は別れた。