第3章 短冊に込めた願い~秀吉編~
秀吉の妻になってから半年。
表舞台から身を引かれた信長様の変わりに、愛しいあの人は目まぐるしい日々を過ごしていた。
「秀吉さん、今日も御殿には戻ってこれないのか・・・」
忙しいのは頭では分かっているが、中々一緒に過ごすことが少ないため、三成から聞いた秀吉からの伝言に顔を曇らせた。
「はい…、申し訳ありません歌恋様。」
「ううん!三成君が悪い訳じゃないし!秀吉さん忙しいのは分かっているんだけど…」
(ダメだ!これ以上言ったら余計三成君に心配掛けちゃう!)
「伝言ありがとう!秀吉さんにお仕事頑張ってって伝えておいて!」
「分かりました…。歌恋様もご無理なさらないようにしてくださいね!」
「うん!」
ひとまず三成は歌恋がいる部屋を後にし安土城へとむかった。