第5章 Destiny5
『お誘いは嬉しいのだけど…私にも仲間が居るのよ?そんな簡単に答えは出せないわ…』
「仲間が居たのか…?!」
『前の島でも私を見かけたのに知らなかったの?』
この島の前に寄った島で海賊を懲らしめた時に感じた視線の一つはローの物だ。
だが、ローがイナギの姿を見た時は彼女一人しか居なかった。
あの後部下達が集合する所をローは見ずにその場を立ち去っていたのだ。
『とりあえず仲間に話すわ。一旦船に戻るけど、あなた達も来る?』
「イナギの船?見てみたいなーオレ!」
「美女の船…!美女の仲間…!!」
相変わらず呑気なベポと美女美女!と馬鹿の一つ覚えかといわんばかりに意味不明な発言をするシャチを尻目に
やはりペンギンだけは冷静だ。
「キャプテン…」
「あぁ…」
自分の呼びかけに腰を上げたキャプテンに、まさか行く訳ないよなと胸をなでおろしたのもつかの間
「こいつの船に行くぞ、ペンギン…」
「…は?…行くんですか?!」
ペンギンの警戒した発言とは裏腹に至極楽しげにニヒルな笑みを浮かべている男
謎の賞金首と噂される女の船に乗り込むなど、この人は正気かと疑いたくなる。
『ペンギン…と言ったかしら?そんなに警戒しないで頂戴。確かにあなたの判断は正しいと思うけど、この子が言い出したら何を言っても聞かないでしょ?』
キャプテンより年下に見える女が自分のキャプテンを"この子"呼ばわりした事を疑問に思ったが
確かに女の言う通り、言い出したら聞かない事が多々ある…
ベポもシャチも、女に対する警戒心は何処へやらで使い物にならない。何かあったら自分が全力で守ればいい。
一瞬考えを巡らせたペンギンは渋々頷いた。
「キャプテンが言うなら…」
「心配するなペンギン。こいつは恩人だからな…」
またもや何か引っかかる言葉を言うローだが、今はどうせ何も教えてはくれないんだろうなと思い席を立つ。