第4章 Destiny4
「いらっしゃい。これまた偉いべっぴんさんだねー。何か飲むかい?」
『ふふ、ありがとう。じゃあオススメのお酒と何かつまむもので良いから頂ける?』
「オススメだが…結構強いぞ?」
ニヤリと挑戦的な笑みで店主は小料理と共に酒を注いだグラスを提供してくれた。
『あら、美味しい♪自分で注ぐから、瓶ごとくださる?』
店主の挑戦をグラスを一気にカラにして受け取った女に驚いたが笑顔を取り戻すと「こりゃ参った!これは奢りだ!」とドンッと瓶をイナギの前に置いた。
『ありがたく頂くわ♪』
それから店主と他愛も無い会話をしつつ、酒を嗜みながら良い店に入ったなぁと機嫌を良くしていると店の前の通りが少しザワつきだした。
「またゴロツキでも出たんだろう…」
店主の言葉にカウンターから身をドアの方へ向け、突然騒がしくなった外を気にした瞬間
パリィィィン!という窓を割る音と共にイナギの顔の横を何かが飛んできた。
ガシャンッ!!
『あら。あらあらあら……?せっかくの美味しいお酒が台無しね…。』
顔を掠めて飛んできた弾が先程店主が気前良く奢ってくれたイナギの酒瓶に見事命中…
グラスを拭いていた店主は、突然弾が飛んで来たことより
粉々になりカウンターを湿らせた瓶の残骸を一瞥した後
口元に黒い笑みを浮かべた女に手を止め冷や汗を流していた。
「お、お嬢さん…?酒なら新しいの出すよ…?」
『ありがとう♪でもその前に…』
『アレ片付けてくるわね?』
席から立ち上がり、何事だとザワつく客を気にも止めず店の外へ向かっていくと、外では海賊が暴れていた。