第3章 Destiny3
「クソッ…!」
「「「「?!」」」」
まさかイナギに標的を向けられると思っていなかったのか、余裕で山賊の相手をしていたベンや後ろで待機していた
赤髪海賊団、全員が油断したッ!とイナギを守るため戦闘態勢に入り駆け出そうとした。
しかし、当の本人はそんな皆の思いを分かっているのかいないのか…
イナギは自分の方に半数以上の山賊が襲いかかってきているというのに
いつも通りの平然とした表情で片腕を地面と水平に真横へと突き出した。
手の平を下に向け、目を少し伏せると…
突然、イナギの手の周辺が白く光だし、銃や剣にも見える見たことも無い武器が現れた。
目の前で起こった不思議な現象…彼女の手に突然現れた見たことも無い武器を目の前にし
イナギを助けねばと動こうとしていた船員たちが驚きで足を止めてしまった。
当然、山賊も同じ光景を目の当たりにしその顔は驚きで満ちている。
だが相手は女だ。見るからに華奢な体、武器を振り回すような体格でもない。
あんな女如きに手下達が負けるわけがないと
山賊の頭である男は高を括っているのか一瞬驚きはしたものの、すぐに思い直し下卑た笑みを浮かべていた。
イナギは一瞬ニイッと口の端を釣り上げたかと思うと
刹那、キィン!ドンッ!と銃とも剣とも言えるような音が辺りに響く。
女は片手で武器を操り空を飛び回り、蝶のように舞いながら次々と山賊を蹴散らしていた。
「すげェな…なんて綺麗なんだ…」
その姿はこの世にある何物よりも美しい。
あの人の船に乗っている時に、彼女の戦闘を一度も見たことが無かったシャンクスは
彼女の圧倒的な強さ、そして美しさに感嘆した。
固唾を飲んで見守っていた船員たちも同じ気持ちのようで、あちこちで「すげェ…」「強すぎだろ…」など次々と感嘆の声が上がっている。
皆がそんな感想を述べているほんの数秒後…
山賊の頭以外は、一人残らずイナギの周りに倒れていた。