第1章 さようなら、マフィア
「どうもー太宰です。
安吾が連絡してくれたみたいだけど連絡いってますかー?」
結構な大声を出して云ってみたら出てきた奴が……
「うっわ。」
「何で貴方がいるの?」
辻村深月だ。
前に政府とちょこーっと揉めたときに闘ったことがある。
すっごいめんどくさかった。めっちゃ強かった。
「……そういえば……政府とこないだ揉めてましたね。」
安吾が思い出したように云う。
「何でいるの?」
「……ここ職場なんだけど。
貴方こそ何でいるの?」
「特務課に経歴洗浄してもらいに来た。」
「……貴方が?」
「うん。」
「……随分きつい冗談ね。」
「冗談じゃないよ?」
「……坂口君、嘘よね?」
「……本当です、辻村さん。」
「本当だよ。」
「……」
無言でこっちを睨んで来る辻村。
「辻村、怖いよそれ。
折角の顔がだいなしだよ?」
首を傾げながらそういうときびすを返して
「仕事にいってくるわ。」
そういって何処か行ってしまった。
辻村って仕事出来るんだ……。
知り合いの意外性を見つけたところで夏目っちの部屋(?)へ行く私達。
「こんっにちはー!」
元気一杯で云うと少し顔をしかめながら夏目っちは云った。
「貴女が……お前が太宰か?」
「そうでよ!
夏目っちー!久しぶり!」
「久しぶり……?」
安吾が思いっきり怪訝な表情を浮かべて呟くと、夏目っちは叫ぶように云った。
「余計なことを云うな!
坂口君、下がって、お願い、ちょっと席外して!」
「夏目っち、キャラ崩壊してる。
私の知ってる夏目っちがどっか行っちゃった。」
「え、ええと……。
とりあえず、分かりました、なんかすみません。」
早口でそういうと安吾は部屋を出た。
「何を余計な事を云っている!
お陰で変な目で見られただろう!」
「まあまあ、落ち着いて、夏目っち。
にしても、年取ったねぇ夏目っち。」
しみじみと夏目っちを見る。
「煩い!
こないだも政府と喧嘩して!誰が収めたと思ってる!」
「私。」
「違うだろう!
結局は状況を私に報告して私がどうにかしただろう!!」
「気 の せ い」
「喧しい!黙れ!!」