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太宰さんのおねぇちゃん【文豪ストレイドッグス】

第1章 さようなら、マフィア


「でも、前回で疲れきってしまったんだ。

情けない話、心が折れたんだ。

前回は50回くらい織田作を助けた。

それでもう、疲れてしまった。

駄目だよね、50回で疲れちゃうなんてさ。

まだまだもっともっと、助けないといけないのに。

御免ね、今回は、ちゃんと助け……!?」

俯いて云いはじめたら織田作に抱きしめられる。

驚いて言葉を思わず切る。

「お前は最高何回俺を助けたんだ?」

「最高が……多分前回の50回。」

「お前は何回時間巻き戻した?」

「もう、数えてないよ。

覚えられない。」

「……じゃあ、お前が神経を擦り減らして俺を助けているとき、

俺はへらへらと死につき走ってたのか。」

「そんなことないよ!

織田作は身体能力高いから援護に入れば

直ぐに自分でも反撃するしてくれるし!

それに!それに……!」

顔をおこして叫ぶようにすると織田作は悲しそうに笑った。

「予測不可能な事態に備えるのは神経を削るだろう。

ましてや、自分なら事態を把握しているから対処できるが、

何時も記憶がリセットされる他人を護るのは手を焼くだろう。

お前の気持ちは有り難い、でも、これ以上やるとお前が壊れかねない。

もういいんだ、いいんだよ。」

初めて名前を呼び捨てで呼んでもらった気がした。

でも初めての機会が悲しすぎる。

「やだ、やだよ……!

織田作は私が勝手に助けてるだけだからいいんだよ!

織田作は気にしないで……生きてていいんだよ!

私の事なんて気にしないでいいんだよ!!」

涙目で云ったら織田作にまただきしめられる。

「他人の事を心配し過ぎるな。

お前は気付いていないだろうが皆お前がおかしいと云っているんだ。

俺はもうお前の悪口を聞きたくない。」

「やだ、絶対やだ!

織田作に死んでほしくないから、だからずっと!!」

「。

平気だ、平気なんだ、俺は。」

小さい子をあやすように云われる。

私はそんなに小さくない。小さくないんだよ、織田作。


「私は……織田作が好きだから、だから助けてるんだよ。

諦めきれないんだよ。」



織田作の目が見開かれる。

当たり前だろう、組織の長に好きだと突然告白されたのだ。


私も自分で何を言っているのか分からない。
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