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第2章 オーマイリルおでん



「無視?ふっ、わかってないなブラザー!あれは照れ隠しという奴さ!この俺!カラ松にはわかる!」

夜だというのにサングラスをかけてキメ顔をする皆様よく知っているであろう松野家次男カラ松、ざっくり自己紹介もすんだところで辛辣な言葉を浴びせるのは...?

「それ、夏の幻なんじゃない?イタいよね」

ドライモンスターことトド松である。
季節が夏な事を交えつつ、的確な判断で最適なツッコミをいれる彼は松野家で貴重な存在だ。ココ最近ツッコミをサボり、逆にツッコまれる事の多くなったチョロ松のかわりにツッコミを入れている所が微笑ましい。

「ほらもー!チョロちゃんがツッコまないからトッティがツッコんでんじゃん!それどーなのー?兄としてー」

「うるせぇ長男!けつ毛燃やすぞ!」

サボっているというのは語弊だった。
周りのボケをツッコミすぎてツッコミ疲れの為に自分もそっちに身を投じた方が楽なんじゃね、という考えに至っているのだろう。

しかし、ツッコんでくれる相手がいなければ本末転倒である。そして松野ブラザーズはボケ4に対してツッコミ2だ。が、トド松はツッコミにムラがありスルーするというスキルを持ち合わせている為、結果的に2人の兄と2人の弟をツッコまなければならない険しい立ち位置にいるのがチョロ松である。

彼の苦労は年月とともにこじれていき、自意識ライジングへと変貌した今、希望の星トド松だけがその名の如く希望なのかもしれない。

話が脱線したが、まぁそういう事である。

「おでんおかわり!」

山のように盛られたおでんをペロリと完食し、無邪気におでんのおかわりを頼む十四松。

「...オレ、スジね」

両手でコップを持ちチビチビとお酒を飲みリクエストする一松。

「一松兄さん、僕大根と卵とすじと糸こんと!あとえっとー!えっとー!」

「そんなに食うたら腹破裂しまっせー」

「そりゃ一大事ですがなー!」

「ほな半分こで食べましょかー」

「せやなせやなー!」


微笑ましい光景だが、カラ松の事など完璧にスルーの2人である。
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