第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)
『イヤです!』
「ダメッス!」
澤「2人して即答するなよ・・・ま、それが嫌なら、西谷が頑張る事だな。じゃ、みんな続きを頼む」
そんな・・・アッサリと・・・
チラリと紡を見れば、よし!なんて言ってニコニコしてる。
それに次のボールは影山からだぞ?!
これは絶対・・・紡に取らせるワケには・・・
『影山~!手加減したら、絶交だからね!王様って連呼するからね!』
影「テメェ!既に呼んでるだろうがボゲェ!!泣かすぞコラァ!・・・ぜってぇ手加減しねぇからな!」
『田中先輩もですよ!もし手加減したら、清水先輩にあのことバラしますから!』
田「きっ、潔子さんにナニをッ?!」
「煽るなっつーの!!」
思わず手で紡の口を塞ぎ、ズルズルとネットから遠ざける。
大地さんがオッケー出したなら、余程かなければ・・・それは覆らない。
しかもコイツはヤル気丸出しだ。
オレも、腹を括るしかねぇ。
「いいか紡!ムリなやつは絶対手を出すな。ケガすっから」
『じゃ、それ以外は頑張りますね!』
そうじゃねぇよ!
「なるべく端にいろ。ボールはオレが取る」
『それじゃ私がいる意味・・・普段みんなが背中を預けるように、私にも預けて下さい。絶対ムリはしません。約束します』
「いや、だから!」
『さぁ~来~い!王様の殺人サーブ来~い!』
「煽るなっての!!」
真っ黒いオーラを漂わせながら、影山がサーブを打つ体制に入る。
マジで腹を括らねぇと・・・ヤバイ。
楽しそうに、でも、真剣な顔を見せる紡を見て、負けられねぇ・・・と、オレも体制を整えた。