第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)
紡は朝練には来なかった。
影山に紡はどうした?一緒じゃなかったのかと聞いても、ただ朝練は休むとしか聞いていないと言ってた。
大地さんにも、休むとだけ連絡があったらしい。
今日1日、休み時間の度に紡の教室に行っても、オレが来る事を予感してたのかアイツの姿は見当たらなかった。
こんなんじゃ、謝りたくても謝れねぇよ
クラスのヤツに聞いても、さっきまではいた・・・そればかり。
もう、放課後に捕まえるしか・・・ないな。
たった1日顔が見れないだけで、こんなにも胸がザワつく。
最後に見た紡の泣き腫らした顔が頭から離れねぇ。
どうにもやり切れない気持ちを抱えて、オレはひとり教室に戻った。