第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)
菅「昼に大地にも話したけど、紡ちゃんが・・・嫌われたままでいい、面倒なヤツだ思われたままでいい、その方がそれを糧にして西谷が前を向いて行けるからって言ってたんだ」
「なんすか・・・それ・・・」
菅「オレは何度もそんなのダメだろって言ったんだけど、これでいいんだって。想いの欠片が残ってたら、前になんて進めないだろうからって」
清「西谷、後悔してからじゃ遅い」
そんなの、とっくに分かってるッス、潔子さん・・・
だけど、どうやって謝ればいいのか・・・今のオレには、その答えが見つからない・・・
「・・・オレ、帰ります」
旭「西谷・・・」
せめて1晩考えて、明日の朝1番で・・・
オレから先に謝ろう。
何て切り出せばいいかなんて、まだ分からないけど・・・
オレは、紡と離れるのは・・・嫌だ。
練習の疲れとは別の、足の重さ。
その足を引き摺るように家路を急ぐ。
明日の朝、いつものように、いつもの場所で待ってて。
紡が来たら、とにかく・・・謝るんだ。
許して貰えなければ、許して貰えるまで・・・何度でも・・・
そんな事ばかりを考えながら眠りについた、翌朝。
紡は・・・朝練に顔を出す事は、なかった。