第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)
澤「清水がさ?西谷だって離れていれば、自分にとっても、バレー部にとっても、あの子がどれだけ大事なのか・・・余程のバカじゃなければ自分で気がつくだろうって」
「そうかも知れないけど・・・」
澤「で、清水が。・・・あんな事を言ってた西谷は余程のバカかも知れないけどって言うから笑ってたら、スガ達が帰って来たんだよ」
確かに、余程のバカだとは常々・・・じゃなくて。
「そっか・・・あ、そうだ!大地、西谷は昼食べた?紡ちゃんが凄く気にしててさ」
澤「西谷?まぁ、あんまり食が進まないみたいだったけど・・・無理やり全部食べさせけど?そっちは?」
無理やり・・・想像つくから怖いよ、大地。
「紡ちゃんは・・・全然だよ。オレが行った時には顔にタオル押し当てて大泣きしてたし。落ち着くまで待って、一緒に弁当広げても・・・ほとんど手をつけないでフタ閉じちゃうし。ただでさえ、食が細いのにな」
澤「仲直り、するといいけど」
「それなんだけど、ちょっと気になる事があって・・・」
大地を引っ張りながら、オレは更に体育館の端に移動して・・・さっき感じた違和感を大地に話した。