• テキストサイズ

【 ハイキュー!!】~空の色~

第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)


澤「やっと、気付いたか。さっき西谷がした事は、そういう事だ」

「・・・はい」

静かな口調で話す、大地さんの言葉のひとつひとつが刺さって行く。

澤「それからな、西谷。お前が猛烈アピールを始めた頃は・・・あの子はまだ元カレの事を好きだったハズだ」

「えっ・・・?」

澤「俺はちょっと込み入った所までは知ってるが、そこを知らないスガが、どれだけ大好きアピールしても、閉ざされた心の鍵は開かなかったんだよ。なのにお前は、その鍵を簡単に開けた」

「簡単になんて!」

紡と一緒に並んで歩けるようになるまで、決して簡単な道のりじゃなかった。

最初の頃なんて、オレががっつき過ぎて怖がられてたからな。

声をかければ、影山や山口の背中に隠れられたり。

その2人がいなきゃいないで、スガさんや大地さんの影に隠れて・・・

でも、それがある日から少しずつ変わって行って。

龍が、押してばっかじゃ怖がられてんだろ!って言うから、たまたま何も声をかけない休み時間を作った。

そしたら昼休みに・・・紡がオレの教室まで来た!

・・・影山とだけど。

で、何事かと思ったら。

『今日の休み時間に、もし西谷先輩が来たら渡そうと思ってて・・・でも、今日は会えなかったから。昨日作ったんです。もし良かったら、どうぞ?』

そう言って手渡されたのは、保冷剤に囲まれた、キンキンに冷えたイチゴゼリー。

オレは超感動した!!

で、思い切って弁当一緒に食べようと声をかけたら、少し迷って一緒に食べる事が出来た。

・・・影山も一緒にだったけど。

それから少しずつ距離が縮まって、結果・・・

隣で一緒に歩けるところにまで、来たんだけど。

・・・オレ、馬鹿だ。

ここまでの道のりがどれだけ一生懸命だったか、もう・・・忘れちまってた。

絶対大事にする!って、約束・・・したのに・・・

/ 487ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp