第31章 Platinum ( 木兎光太郎 )
赤「なるほど。つまり木兎さんは、城戸先生が好きになったという事ですか」
「あかーしスゲーな!なんでわかった?!」
赤「分かりますよ。木兎さんの事なら、きっとそうだろうと思いました」
「あかーし、宇宙人かっ?!今のテレパシーってヤツか?!」
赤「いえ、少なくとも木兎さんよりはちゃんとした地球人ですね」
淡々と言って返すあかーしに、そうか、これは恋なのか!と詰め寄る。
赤「木兎さん、ひとつ提案ですが。そんなに考えていてモヤモヤするなら、いっそ木兎さんの気持ちを城戸先生に伝えて来たらどうですか?」
「オレが?!」
赤「他にいませんね。当たって砕けてスッキリして来て下さい。そうしなければ、これから大会があるのに俺が、いえ、俺達みんなが困ります」
それだ!
モヤモヤがスッキリすんなら、それが1番だ!
「あかーし。オレ、ちょっと腹痛いから保健室行ってくる」
赤「分かりました、腹痛ですね?」
「おぅ!腹痛だ腹痛!」
赤「気を付けて行って来て下さい。戻った来た時は部員総出で暖かくお迎えしますから」
あかーしは早く行って来いって感じで、テーピングを巻きながら背中を向けた。
よし!行くぞ保健室!!
自分に勢いをつけるために思い切りドアを開けて飛び出す。
ひたすらダッシュして保健室を目指す。
あのドアだ!
あのドアの向こう側にアイツがいる!
オレの頭ん中にチラチラするつーちゃんセンセーが!
あかーしに言われたように、当たって砕けてスッキリしてやるぜ~!!
ん?
なんか引っかかるな、あかーしの言葉。
当たって砕けて、スッキリして来て下さい···?
んんん?
当たって···はいいとして。
砕けんのは、オレが?
なんでだ??
ま、いーや!
とにかく今は、つーちゃんセンセーにラブラブアタックだ!
あかーしがせっかく上げてくれたトスだかんな。
この木兎光太郎が、ズバッと1本···いいやつキメてやんぜ!
ドンドンドンドンドンッ!と激しくドアをノックして、返事も待たずにガラガラっと開ける。
そこには長い髪を纏めあげてる途中のつーちゃんセンセーがいて。
うほーっ!
なんか超色っぽいじゃねーか!!
さすがオレのつーちゃんセンセー!
ん?オレの?
いーのいーの!これからオレのになるかもだろ?!