第25章 いつか王子様に ( 日向 翔陽 )
男3人、鍋を囲み···話すことと言えば、やっぱりバレーの事で。
これから先の大きな荒波をみんなで乗り越えるぞ!っていうキャプテンの意気込みに、おれも菅原さんも大きく頷づいた。
菅「あ~食った食った!」
澤「日向、風呂沸いてるから先に入っていいぞ?」
「えっ?!先輩方を差し置いて、そんな、先に風呂入るとか···片付けもあるのに」
どう考えても、それはマズイっしょ。
澤「いいっていいって。片付けはスガが率先してやるから、のんびり入って来い」
菅「そうそう!オレが、って!大地も手伝えよ!」
澤「頑張れよ、お母さん?」
菅「もぅ、お父さんったら。じゃあやっぱり今夜は寝かせないからね?」
澤「アホか!」
ゲラゲラと笑い合うふたりを見て、おれもつられて笑った。
···いいな、こういうの。
それからは順番にお風呂に入り、キャプテンの部屋に布団を敷きつめて···
菅「ジャーン!それではお待ちかねの恋バナターイム!」
澤「誰も待ってないから···」
キャプテンの言葉に、なんでだよ!と言いながらも、菅原さんはノリノリで恋バナしよーぜ!と前のめりになる。
「恋バナ···って言われても、おれ何話せばいいのかわかんないです」
正直、今まで恋愛がどーのとか、経験値ゼロ。
だから、恋バナって言われても良くわかんないし。
澤「ほら見なさい。だいたいみんなそうだろ?」
菅「えぇ~。日向は誰か気になる子とかいないの?好きなタイプとかさ!」
好きなタイプ···?
う~ん···
「それもよく分かんないですけど、多分···おれが好きになった人が、好きなタイプなんだと思います」
澤「なるほどなぁ、それは一理あるな。確かに好きになった人が全員タイプにハマるかって言ったら違うしな」
「多分、そんな感じだと思います」
菅「じゃあさ、清水とか見てどう思う?」
清水先輩?
「大人···ですかね···とか」
澤「アハハッ、大人ねぇ。確かに清水は妙に落ち着いてるからね」
菅「それ大地が言う?じゃあさ、同い年って所で紡ちゃんは?」
「城戸さん···」
う~ん···城戸さんは、優しくて。
なんかフワフワしてて、いい匂いで···
あ、この前躓いてコケそうになったのを助けた時、ムニュって柔らかかった···よう、な?