第22章 僕だけの青いイチゴ ( 月島 蛍 )
~ epilogue ~
次の日、部活に行くとちょっとした騒ぎが起きていた。
まぁ、予想はしてたけどね。
なんせ朝から···
山「ツッキー!昨日オレがどんだけ誘っても外に出ないって言ってたのに、何で城戸さんのインスタに載ってたの?!ねぇねぇ?!」
···こんな感じだったから。
休憩毎にソワソワされ、チラ見され。
ハッキリ言って、ウザイことこの上ない。
だいたいクリスマスなんて、365日のうちの1日だよ?
たいしたことない···と、言えば角が立つケド。
僕がちょっと浮かれたのも、事実。
日「クリスマスにデートとか、カップルがするんだろ?だったら、月島と城戸さんはカップルって事でいいんじゃないの?」
···予測不能な方向からの理解不能な爆弾投下。
西「いいわけないだろ!オレ達の天使が···」
菅「そうだぞ日向!大問題だ!」
いや、二人ともどんだけだし。
はぁ···面倒。
『何だか、大騒ぎになっちゃったね。ゴメンね月島君、私がインスタに写真上げなきゃ良かったね』
「別に平気。あんなのほっとけば、そのうち静かになるから」
それより僕は、キミのつけたタグに驚いたけどね。
あの写真。
#月島君とケーキ!···って。
僕とケーキを一緒にして検索する人なんて、いないデショ?
こっちもある意味、理解不能。
『アップした写真、下げちゃおうか?その方が騒がれなくて月島君も静かで穏やかな時間が過ごせるんじゃない?』
更に、理解不能。
「平気って言ってるデショ。気にしてない···それとも?」
ゆっくり手を伸ばして、指先でフワリと髪をすくい上げる。
「火のない所に···って事にでもする?」
『な、なに言ってるの月島君?!』
顔を真っ赤にさせながら驚かれても、そんなの僕は気にしない。
「どうするの?」
『どうするも、どうもしないも···』
髪から指先を流すように下ろし、そのまま頬を撫でる。
『あ、あのね、月島君···』
「なに?」
僕を見上げながら、何度も瞬きをしてる。
『えっ、と···ですねぇ···』
「折角だから聞いてあげる。ハッキリ言いなよ?」
ほら、言ってみなよ?
『こういうのは···』
こういうのは?
『月島君の彼女にしてあげた方がいいよ!』
···は?