第20章 未来予想図 ( 東峰旭 生誕 )
集合場所まで、わざわざ行ったのに?
『澤村君に電話する事も考えたんだけど、やっぱりそれじゃ部外者の私も誘ってくれたのに申しわけないから』
「大地は、別にそれくらいで非難とかしないよ?」
オレがそう言うと、分かってるよと言って笑った。
『旭の事が心配だし、みんなは初詣行ってきて?その代わり、旭は任せて!って、胸張ってきた』
「そっか···なんか、」
『ゴメン!って言うのはナシ!旭が元気になったら、時期が過ぎても一緒にお参り行くんだから。ね?いいでしょ?』
行こう、絶対。
力なく笑えば、しょぼくれた顔をするな!って喝を入れられる。
『あ、それからさ。伝言預かって来たよ?』
「大地に?」
『ううん、違う。バレー部の小さいマネージャーさんに、だよ。お胸バーンってプリプリってしてる可愛いこちゃん』
「城戸さん、ね」
紡の城戸さんの説明に苦笑しながら、いい加減に名前覚えなよと笑う。
『っていうか旭!お胸バーンでプリプリってので、あの子の事だって分かるのって、なんか、ねぇ···おばさん?』
「旭、お父さんと一緒でエロジジイ···やぁねぇ、男はみんなそんなでさ?このオッパイ星人め」
「母さんっ?!···イタタタ···」
自分で出した大声が、頭に響く。
『自業自得だよ、旭。で、その···城戸さん?がね、東峰先輩に伝えて欲しいって』
「えっと、なにを?」
『明後日の部活は、東峰先輩は病み上がりだろうから澤村先輩と相談して考えた特別練習メニューです!体調崩して1日休めば、3日分くらいの遅れが出ちゃうから早く元気になって下さいね!···だ、そうです』
特別練習メニュー···なんか怖いな、それ。
「ほら、旭。みんな心配してくれてんだから早く治しなさいよ?じゃ、紡ちゃんアイス食べに行きましょ?」
母さんは、心配とは無関係なのか?
『あの、おばさん?旭も目が覚めてるし、ご飯とか···』
「もう、紡ちゃんはホントに旭が好きなのね~。超ラブラブだわ、お父さんは旭に負けて泣いちゃうわ」
『ラブラブ···とか』
「あはは···」
お互いに顔を見合わせて、そして。
···照れる。
『旭、何か作ったら食べれそう?』
「う~ん···どうだろう。お腹すいてる感じはあるけど、食べれるかどうかは」