第2章 子羊とたくさんのオオカミ?!(縁下 力)
『影山がケガなんてしたら、みんなでフルボッコしましょう。いつも私や日向君は頭鷲掴み攻撃されてるから、仕返ししますよ』
・・・フルボッコ。
城戸さんからの可愛らしい攻撃なら、俺もされてみたい・・・じゃあなくて!
ヤバイな俺。
そんな訳ないとかいいながら、ドップリ城戸さんにハマりつつあるじゃないか。
田中の事を変態とか言えなくなっちゃうだろ。
止まれ、俺の思考・・・
ぽんッと頭に手を置き、食べすぎないように言ってね?と伝えると、俺は木下達の所へ戻った。
木「お帰りィ縁下」
「なんだよ?何をそんなにニヤついてんだよ」
木「別にィ?いやぁ、縁下にも春が来たのかと思って?」
「言ってる意味が分かんないよ」
ふぅ・・・とため息をついて、木下を見る。
成「そういうのは、自分じゃなかなか気が付かないモンだよ」
成田までニヤリとしながら俺を見る。
何だよ2人とも。
木「いいよなぁ、春だよなぁ。あ~オレもカワイイ彼女欲しい!例えば・・・あの子みたいな?」
「なっ!城戸さんはダメだ!」
思わず出た言葉に、自分でビックリする。
何でムキになってんだ、俺は。
成「ほらね?」
木「なるほどね」
「だから、何が言いたいんだよ」
俺がそう返すと、2人して、別に~?なんて言う。
ホント、何なの?
成「あの子、凄く可愛らしいけどさ?プレーはビックリするほど激しいよな。田中のスパイク受けたりとかするし」
木「それな!オレも驚いたよ!あとアレな、いきなりトス上げる状態でジャストな位置に上げてくる感じ!」
そうそう、それには俺も驚いた。
影山からコッソリ伝授して貰ったとは言ってたけど、だからってイキナリ初上げしてジャストな所にトス上げて来たのはビックリだった。
普段から練習してなきゃ、そうそう出来ない事だよな。
・・・どこかで、練習してるとか?
でも、訳ありでバレー辞めたとかチラッと耳にしたけど。
プレーする姿を見る限り、故障とかではなさそうだけど・・・
『「ナイナイ!絶対ナイ!!」』
木「おわっ?!な、なんだ?!」
今のって、影山と城戸さん?
風を送るように着ているシャツを煽りながら、声が上がった方を見た。
なんだ?
今度は何の騒ぎだ?
あまり騒ぐと大地さんに怒られるぞ?