第15章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!( 黄金川貫至 )
オレ達の知らないところで、そんな出来事が起きていたとは全く知らず・・・
そのあとの部活で二口さんが妙に不機嫌だった事に、オレは首を傾げていた。
激動のあの日から数日、ごく普通の毎日を過ごしていた。
変わった事と言えば。
二「お~っし!ちょい休憩すんぞ~」
ヤベぇ・・・まだまだトスが上手くならねぇ・・・
『お疲れ様!はい、貫至君ドリンクね』
城戸がオレの事を名前で呼ぶようになった事。
それから。
「ッス!サンキュー紡」
オレも名前で呼ぶようになった事。
そして。
『・・・よいしょ、っと』
「っと・・・な、なんだ??」
床に座るオレの背中に、紡がちょこんと寄りかかる。
『えへへ・・・ちょっとだけ、くっつきたいなぁ、とか・・・ダメ?』
「!!・・・だ、ダメじゃ・・・ねぇッス・・・」
紡が、意外と甘えん坊だって分かった事。
二「コラーッ!そこのバカップル!!オレの前でイチャイチャすんなぁー!!」
「サッ、サーセンッ!!・・・紡、今日も一緒に帰るぞ」
『うん!』
青「紡、コレやる」
『あっ!私の好きな飴!青根先輩ありがとうです!』
オイオイ・・・さっきまでオレに寄りかかってたのに、青根さんに抱き着くとか・・・
二「青根ズリィ!つーちゃん、オレもオレもー!」
『ぅひゃぁ!』
二口さんが駆け寄り紡にベタっと貼り付いた。
「ちょっ、いくら二口さんでもそれはダメッス!!」
二「い~じゃん、チョットくらいよぉ・・・何なら、またオレと本気勝負すっか?」
二口さんと本気の勝負・・・あの日を思い出して、紡の手を握る。
「いいッスよ?何度やってもオレ、負けねぇッス!」
オレ達の多難は、何かいろいろと現在進行形だ。
でも、オレ達らしく、オレ達のペースでゆっくり進めばいい。
そう思って、繋いだだけの紡の手に・・・指を絡めた。