第15章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!( 黄金川貫至 )
『どうして私に?って思ったけど、書いてあるお題を見てみろって言われて』
あのカードには・・・
〖 1番大切なもの 〗
たったひと言、それだけが書いてあった。
だからオレは、迷わず城戸を迎えに走った。
『さっき・・・言ってくれた事の返事、してもいい?』
なんて返せばいいか分からず、コクリと頷く。
『もし、私があの競技で・・・このカードを引いたら・・・』
「お、おぅ・・・」
『誰よりも先に、黄金川君を探しに行ったと思います!』
「??・・・それって、つまり?・・・えぇっ?!ま、マジっすか?!」
『嬉し過ぎて死にそう・・・』
「い、いま死なれたら困るッス!!」
両手で顔を覆い俯く城戸を見て、無意識に抱き寄せる。
城戸の小さな肩は、1度ピクンと跳ねて・・・恐る恐る、腕を回してきた。
嬉し過ぎて死にそうなのは・・・オレだ・・・
滑「とりあえず何とか纏まったみたいだね、コガネとつーちゃん」
青「・・・あぁ」
鎌「誰から見てもバレバレだっつうのに、もどかしかったからなぁ・・・」
茂「お前も二口に協力させるとか、なかなかの策士だな」
滑「つーちゃんに1番絡んでたのが二口だから。コガネも気が気じゃないのは目に見えてたし」
二「あ~あ、オレはスゲェ損失だよ・・・オレのつーちゃんが・・・」
青「今は・・・コガネの」
二「わかってるっつーの!でも・・・隙があれば、狙うぜ?」
滑・茂・鎌「二口~!」
二「なんだよぅ、いいじゃんか別に」
滑・茂・鎌「・・・最低」
青「最低」
二「青根まで?!」
滑「でも、ちょっとカッコよかったよねコガネ・・・好きだ!とかさ?いいなぁ・・・」
二「なぁに、女子みたいなこと言ってんだよ・・・」
滑「ちょっと二口!!・・・私も、早く新しい恋・・・探そうかな・・・」
鎌「それは聞き捨てならねぇな」
滑「・・・どういう事ですか?」
茂「(鎌先はね、もうずっと滑津のこと見てるんだよ・・・)」
鎌「聞こえてんだよ茂庭!」
滑「う・・・うそ・・・?」
鎌「ウソじゃねぇよ!・・・あぁもう!お前ちょっと来い!これからの事をよーく話し合うぞ!」
茂「よかったな?」
滑「はい!」
二「もう1組バカップル誕生かよ」