第15章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!( 黄金川貫至 )
滑「だからさ、つーちゃん洗濯物終わるまで悪いんだけど・・・コガネ待っててあげられない?!」
「オレ?ッスか?別にいいッスけど?」
二「滑津~?何ならオレ部長だし?オレが、」
滑「アンタは待たなくていい・・・コガネだったら、つーちゃんちゃんとクラス同じだし気兼ねしないでしょ?それに二口は危ないから」
青「・・・危ない」
二「青根?!」
滑「とにかくコガネ!頼んだよ!ちゃんと家まで送りなさいよ!暗いんだから!」
「ッス!」
・・・家まで送る?
家まで?!
マジか?!
いそいそと着替えを終わらせ、ソワソワとみんなが帰るのを待って、二口さんから部室の鍵を預かった。
二「コガネ、つーちゃん襲うなよ?」
「しないッスよ!!」
青「・・・紡に」
青根さんがオレの手のひらにコロンと飴玉をふたつ乗せた。
青「・・・1個、コガネ」
「あ、アザっす!」
ふたりを見送り部室に残ったオレは、椅子に凭れてボンヤリと城戸の事を考えた。
舞さんは頑張れとか言ってっけど、告白自体した事ねぇし、何て言えば・・・
やっぱりごく普通に・・・す、すすす・・・好きだ!とか?
・・・普通過ぎるか。
叫んでみる、とか?
それならオレ、行けるかも?
ちょっと試しに・・・言ってみるか。
大きく息を吸い込み、正面を向いて・・・いざ!
「好きだ!!」
『えっ?!黄金川君?!』
叫んだと同時にガチャリとドアが空き、城戸が驚いた顔でオレを見る。
『えっ・・・と、今の叫びって・・・』
「ち、違う!その、アレだ!青根さんが城戸にって預かった飴!好きだ!って!」
オレ今、苦しい言い訳か?!
『飴?・・・青根先輩から?』
青根さんから渡された飴玉を見せて、頷く。
『これ・・・この前の・・・青根先輩、覚えててくれたんだ・・・嬉しい』
なんだ?
何かいま・・・胸の奥がチクッとした。
『黄金川君、1つ・・・貰っていい?』
「あ?1個でいいのか?」
『うん、だってもうひとつは黄金川君のでしょ?青根先輩は多分、私と黄金川君にひとつずつくれたと思うから』
正解。
何で分かるんだ?
『ん、美味しい!明日、青根先輩にお礼言わなきゃ・・・っとと、忘れる所だった!柔軟剤の詰め替え取りに来たんだった』