第14章 流麗な夢をキミと ( 菅原 孝支 )
~ epilogue ~
オレ達の最後の文化祭が終わり、数日が経った。
けど、バレー部の執事カフェが部活動部門で堂々2位になった事で···大変な事に。
道「菅原~!ねぇねぇ、アレやって?」
「道宮···何度も言うけど、あれはあの日だけの特別な時間なんだって···」
お客として来た道宮は、オレを見つけると執事カフェで体験した事を強請ってくる。
道「いいじゃん、菅原のケチ!」
「ケチって言われてもなぁ。そんなにやって欲しいなら大地や旭に頼めよ」
道「澤村になんか···」
澤「俺がどうしたって?」
道「さ、さささ澤村?!」
オレ達の背後から聞こえた声に、道宮が驚く。
「ちょうどいい所に来たね、大地」
澤「ん?」
「あのさ大地、道宮が大地に、」
道「じゃ、部活頑張れ菅原!あと澤村も!」
ポンっとオレの背中を叩き、道宮が廊下を走って行く。
やれやれ。
澤「で、道宮は俺に何の用事だったんだ?」
不思議そうな顔をしながら、大地は走り去る道宮の後ろ姿とオレを交互に見る。
「部活、頑張れだってさ」
澤「いわれなくても頑張るけど?」
「ハハッ···」
こっちもやれやれ···
ま、相手が大地だから仕方ないか。
道宮···進む道は険しそうだぞ?
なんたって大地は···
『あっ!いたいた大地さん!』
紡ちゃん?
今さっき道宮が走り去った方向から、今度は紡ちゃんが走って来た。
『よかったいてくれて。あの、部室の鍵を早く開けて貰いたくてお迎えにあがりました!』
「部室の?···急ぎの用事でもあるの?」
大地と顔を見合わせながら、息を切らせて走って来た紡ちゃんに首を傾げた。
『急用···という訳じゃないんですけど、今日こそは部活が始まる前に清水先輩と掃除をしようと約束してたんです!』
澤「清水と···掃除?」
『はい!だって田中先輩とか西谷先輩が、何度言っても食べたお菓子のゴミとか、なんか怪しい本とか散らかしっぱなしなんですもん!しかもどんな本なのか教えてもくれないし』
澤「怪しい本って···スガ、あの本の事か?」
「···多分ね」
『大地さんもスガさんも、どんな本か知ってるんですか?』
知ってはいるけど···教える事は出来ないかなぁ。