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【 ハイキュー!!】~空の色~

第14章 流麗な夢をキミと ( 菅原 孝支 )


清水が作ってくれた花を持ち、紡ちゃんの横にそっと跪く。

「お嬢様、今日の思い出にこちらをお持ちください」

『これは・・・』

そこまで言いかけて紡ちゃんは言葉を詰まらせた。

顔を覗けば、ゆっくりと瞬きをしながら大きな涙をひとつ・・・零していた。

日「あーーーっ!!菅原さんが泣かせた!」

影「小学生かっ!!」

あちゃ~、急に現実世界・・・

『ちっ、違うの!なんか・・・いろいろとビックリして。それから、嬉しいのとか混ざって・・・』

そう言いながらも、次々と零れる涙を止めることもせず、ただ、ただ、顔を隠す様に紡ちゃんは俯いた。

日向の叫びに、大地と旭も側に集まって来た。

澤「城戸さんゴメン、泣かせるつもりじゃ・・・」

『違うんです・・・こんな風に喜ばせて貰ったのが嬉しくて。そしたら私は、みんなに何をしてあげられるんだろうって、それで・・・』

澤「そんな事は気にしなさんなって。いつも一生懸命やってくれてる、ご褒美なんだから、ね?」

「左様でございます」

澤「・・・スガ?」

出来るなら、まだ・・・夢を見せてあげたい。

誰か一人にでも、小さくても幸せな夢を見せてあげたい。

だったら、オレが・・・

「さぁ、お嬢様?まだ、目を覚まされては困りますよ?」

もう一度、手にした花を掲げてみる。

『あ、りがとう、ございます・・・甘い香りがしますね』

そっと鼻に近づけ、本物の花の香りを仰ぐように紡ちゃんは笑った。

縁「お嬢様、温かい物とお取り替え致します」

オレの意図を汲み取ったかのように、縁下が淡々と執事の役を続ける。

こんな夢なら、いつだって見せてあげる。

いや、オレが見たいんだ。

だから・・・もう少しだけ、いいよね?

ゆっくりと紡ちゃんの手を取り、そこに口付ける。

『す、スガさん?!』

驚く紡ちゃんに小さく笑いながら、ゆっくりと瞬きをする。



オレも今だけは小さな夢を共有したいから。





流麗な夢を・・・キミと・・・






















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