第13章 オレの道標··· ( 東峰 旭 )
澤「ま、旭はないな、ヒゲちょこだから」
菅「ガラスハートだし?」
「またそれかよ。ホント、大地とスガのオレに対するイメージって、どうなってんだよ」
澤·菅「「 そのまんま 」」
同時に言われ、ちょっとへこむ。
澤「そういう所も、だよ。お前は見た目だけワイルドだからな···」
菅「そうそう」
「ちょっと!オレをディスって楽しむのやめない?!」
そんな事を言いながら体育館に向かい、朝練を時間ギリギリまでやった。
鬱陶しいくらいに降り続く雨音を聞きながら、1日の授業を終えて、今日も1日頑張った!と自分を褒める。
そして放課後になり。
菅「まだ降ってるよ···ホントよく降るよなぁ、天気どうなってんだよ」
「スガ、今朝も同じようなこと言ってなかったか?」
部室で着替えながらスガに言ってみる。
菅「そうだけどさ···雨だとやっぱ、テンション下がるべ?」
そうでもないけど、と返して、練習着に袖を通していると西谷が体半分びしょ濡れで部室に入って来た。
「西谷、お前傘使わなかったのか?随分濡れてるけど···」
西「使いましたよ?紡と半分ずつ」
菅「紡ちゃんと?!何で西谷が?!どうして?!」
あぁ、そう言えば···と、今朝の出来事を思い出す。
朝練の時も、影山の傘で相合傘しながら来てたっけ。
あれ、でも影山はどうしたんだ?
クラスも同じだろうに。
「今朝は影山と一緒に傘入ってたけど、影山と一緒じゃなかったのか?」
西「一緒でしたよ?でも、影山とじゃ紡との身長差がありすぎるだろ?って、オレが一緒に入れてやりました。でも何か遠慮して距離あけるから、もっとこっち来いって肩を抱き寄せながら歩いてたんスけど、風が強まってて結局濡れました」
···なるほど。
でもそれを聞かされたら、スガは···
菅「あぁぁぁ!影山と西谷が紡ちゃんと相合傘とか!しかも肩を抱き寄せたとか!!昇降口で待ってればよかった!」
···ま、こうなるよな?
部室の壁に頭を付けながら悔しがるスガを見て、西谷が首を傾げた。
西「旭さん、スガさんは何であんな状態に?」
「気にしなくていいよ、スガは朝からあんな感じだからね。雨のせいで」
西「雨の?なんスカそれ?」
「スガはあの子と相合傘がしたいんだってさ」