第12章 カッコイイって、難しい。 ( 山口 忠 )
サクッと朝ごはんを食べて、いよいよ着替え!って部屋にいると、入るよ~って言いながらお母さんがドアを開ける。
その辺は、さすが叔母さんと姉妹だよね・・・
「あのさ、オレ今から着替えるんだけど!」
母「どうぞ?見慣れてるし、それ位で怒んないの。はい、臨時小遣いあげるから」
お母さんがニコニコしながらエプロンのポケットからお金を出してオレに差し出した。
「あ、さっき・・・」
お父さんから貰ったよ・・・と言いかけて、お母さんには内緒だって言われたのを思い出す。
母「大丈夫。どうせお父さんからも貰ったんでしょ?で、今度連れて来いとか?だいたい見当つくから」
お母さん、全問正解!
「お母さん、お父さんの事なんでも分かるんだね・・・」
当然!と言いながらお母さんが笑った。
母「だからさ?お父さんから貰ったのはお土産とか何かそういうのに使いな?お母さんからのは2人で夕飯でも食べて帰って来なさいよ?ね?」
あんまり早く帰って来ちゃダメだよ?と、変な念を押され、オレはなにそれ!と返した。
母「とにかく!2人の時間に限りがあるんだから、しっかりね、忠?」
うふふ~と変な笑いをしながら、お母さんが部屋を出て行った。
お父さんもお母さんも・・・オレに何を期待してんだろう。
ただ、叔母さんから貰ったチケットで一緒に出掛けるだけなのにさ?
お祭り騒ぎしちゃって変なの、2人とも。
着替えを終えて時間を見て、今から出てゆっくり行けば丁度いいかな?なんて考えながら玄関へと向かう。
「行ってくるねー!!」
声だけかけて外に出る。
天気はいいし!
デート日和!
・・・デート日和?!
な、何か自分で思って緊張して来た・・・
そうだよ!
叔母さんが言ったように、2人だけで遊園地とかデートじゃん?!
どどど、どうしよう!
デートって何すればいい?!
スマホを取り出し、誰かに聞こうとアドレスを開く。
でも誰に聞けばいいの?!
ツッキーに・・・は、聞けない!
じゃあ、叔母さんに・・・聞けるワケない!
・・・そうだ。
検索とかしたら、書いてないかな・・・?
« デートって何すればいい? »
何となく・・・検索をしてみる。
« 相手を退屈させないようにプランを立てましょう。思い出に残るような楽しい会話も忘れずに! »