第11章 ハートの秘密 ( 城戸 桜太 )
話の内容が紡にはオトナ過ぎるのではと思い、つい、話の間に入ってしまった。
梓「分かってるってば!桜太こそ、変なことってなんですかぁ?」
『なんですかぁ?』
「紡まで・・・だから、梓がそういう事すると、紡が真似するだろって話だよ」
小学生はとにかく、中学生や高校生の真似するとオトナになったと思って何でも興味津々になるんだから・・・
梓「もう、桜太は小姑か!あっち行ってて!今は女子トークしてるんだから・・・はい、行った行った!」
女子トークって、あのねぇ・・・
ソファーに座るふたりに追いやられ、俺はまたテーブルセットへと戻る。
梓「あのね、ハートの使い方はね・・・今日みたいにオムライスとか、あとはハンバーグとか!そういうの作った時に、ケチャップでハートを描いてあげるといいんだよ?」
『そうなの?!すごーい!』
いや、そんなに喜ばなくても・・・
梓「それでね、ハートを好きって事で、ハート中を塗りつぶしたら・・・大好きって事になるんだよ?わかった?」
『好きって、中くらいの好きの事?』
ほら、紡に伝わってないじゃないか。
梓「えっとね・・・普通のハートの時はぎゅーってするくらいの好きで、ハートの中を塗ったら、ぎゅーっと、ちゅーもするくらいの大好きって事よ?」
なんてアバウトな説明をするんだよ。
聞いててハラハラするだろ、俺が!
『わかった!じゃあ、つーちゃんは、おぅちゃん大好きだからおっきなハートにしていっぱいケチャップ塗る!』
ハートは嬉しいけど・・・ケチャップいっぱいって、なんか複雑だな・・・
梓「桜太は分かったけど、慧太君はどうするの?」
『けぃちゃん?・・・普通ハートにする!だってけぃちゃんより、おぅちゃんの方が好きだもーん!あのね、ナイショなんだけどね・・・つーちゃんは、おぅちゃんのお嫁さんになるの!いいでしょ~』
梓「いいなぁ!私も桜太のお嫁さんになりたいなぁ!」
俺を見つめながら笑って言う梓。
・・・どんな顔したらいいんだよ、俺は。
『じゃあ特別ね!おぅちゃんのお嫁さんは、つーちゃんと梓おねえちゃん!決まり!』