第11章 ハートの秘密 ( 城戸 桜太 )
慧「なんだよそれ・・・」
「別に?あ、そうだ。あのさ、紡が描くハートの秘密・・・知りたくない?」
スプーンのケチャップを皿の端に落としながら、そんなもんに秘密なんかあるのか?と返す慧太に、フフンと鼻で笑って返す。
「あるんだよ、秘密が。知りたい?」
慧「つうか、桜太・・・話したくて仕方ねぇんだろ・・・聞く」
「あのさ?秘密っていうのはね・・・」
足を組み直し、紡と梓のやり取りを思いだしながら慧太に話をした。
梓「あのね、紡ちゃん。桜太と慧太君の事、好き?」
『うん!だーいすき!でも、つーちゃんは梓おねえちゃんも大好きだよ!』
梓「ホント?!嬉しいなぁ・・・私も紡ちゃんの事、だーいすきだよ?じゃあさ、大好きって伝える時は紡ちゃんはどうやって伝える?」
『う~んとね、ぎゅーってして、大好き!って言うよ?梓おねえちゃんは、おぅちゃんにぎゅーってしないの?』
梓「もちろんするよ?」
・・・おいおい、紡に何を言ってるんだよ。
『あとね、ちゅーもする!おぅちゃんは梓おねえちゃんにする?』
梓「桜太?」
待て梓!
梓は少し困りながら俺をチラッと見て、微笑んだ。
梓「桜太はね、恥ずかしがり屋だから、ちゅーは誰もいない時にしてくれるの」
梓ーーーーーーー?!
『そうなの?あとねー、けぃちゃんはねぇ、ちゅーしてから、ほっぺをペロンって甜めるからヤダー!』
梓「えぇ~、それは私もヤダー」
・・・アイツ、紡になんて事をしてるんだよ!
ん?・・・私もヤダー???
まさか慧太、俺の知らない所で梓に?!
・・・慧太が帰ってから、俺の部屋で兄弟会議開催だな。
梓「あのね、ぎゅーとか、ちゅーの他に、大好きって伝える方法があるから教えてあげるね!」
『ぎゅーってするだけじゃダメなの?』
梓「内緒で大好きって教える方法だよ?それはね、ハートを使うんだよ?」
『ハート?』
「梓・・・紡に変なこと教えるなよ?まだ小さいんだから」