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【 ハイキュー!!】~空の色~

第7章 〖 肌の記憶 〗 人気投票3位記念 城戸 慧太


ツン・・・と、胸を突ついて笑ってみせる。

「もう、エッチねぇ・・・」

「お互い様。じゃあな、もう行くわ」

後ろ手に手を振り、オレは部屋を出た。

この部屋から家に帰るのは、何度目になるんだろうか。

元々アイツはバイト先で働いてて、そこで知り合ったオンナだ。

最初は知らなかった。

・・・まさかオトコがいるなんてよ。

だから、ある日・・・言い寄られて、そのまま部屋になだれ込んで・・・一線を越えた。

でも、その後に聞かされたんだ。

アイツにはちゃんと彼氏がいて、オレがつまみ食いの方だって事。

遠距離恋愛でなかなか会えない寂しいさや、いろいろを・・・手近なオレで埋めた・・・って。

オレはオレでフリーだったし、都合のいい関係を続けていた。

それから数ヶ月して、結婚するって聞かされて。

じゃあ、もう、やめるかって言ったのに。

今だに関係は続いてる。

バレたらオレ、かなりヤバイよな。

ま、その辺は上手くやるけど。

・・・既に、桜太には薄々勘づかれてる。

その辺も、気をつけねぇと・・・

アイツ、いろいろうるせぇからな。

紡の教育に良くない!とか。

ちゃんと責任持てる行動しろ!とか。

・・・分かってるってぇの。

ほんと、イチイチうるさい。

桜太と同じようにしてたら、比べられんのがイヤなんだよ。

だから、ってワケじゃねぇけど。

優等生な桜太とは、逆の私生活を送ってる。

別に成績が落ちてる訳でもねぇ。

そのへんは抜かりなく、成績だけは優等生だ。

・・・自分で言うのも、アレだけどよ。

進路だって、自分の中では大方決まってる。

後は、どうやって父さんと母さん・・・それから桜太を説得するかってだけだ。

敵は手強いな・・・

特にラスボスの桜太。

父さんより桜太がラスボスだってのは、ま、仕方ねぇ。

アイツは誰より、オレも医学部に進むと・・・思ってるからな。

ワリィな、桜太。

オレはもう、お前と比べられる人生から外れたいんだよ。

顔も同じ。

背格好も同じ。

声だって・・・ほぼ同じ?

親は両方とも医者で?

桜太も医学の道を進む。

・・・そんな中でオレも医学の道なんか、真っ平御免だ。

だからって訳じゃねぇけど、オレは美容師で未来を目指す。

そう、決めた。











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