第6章 王様ゲーム (2017.8.19 特別番外編)
・・・ここから始まるの?!
西「おぅ!で、名前は?」
清「・・・潔子です」
清水先輩がサラリと名乗ると、西谷先輩は嬉しそうな顔を見せてベタベタと清水先輩の手がキレイだの、髪がキレイだのと触っていた。
月「・・・絵に書いたような変態オヤジっぷり。誰が見本?」
・・・確かに。
っていうより、私・・・ガン無視?!
ずっと清水先輩にばかり気を取られている西谷先輩は、私の方など1度も見ずゴキゲンだった。
田「ノヤっさん、お嬢のこと頭にねぇな。仕方ねぇ・・・飛び入り参加で月島も入れ」
月「は?なんで僕が・・・」
田「いいから入れ!王様命令だ!」
・・・・・・どんな命令ですか!
嫌々ながらも大地さんにも説得された月島君が、いかにも待ち合わせしていたかのように西谷先輩の前に来た。
月「遅れてスミマセン。残業で・・・はぁ・・・」
多分、最後のため息は演出でも何でもなく、ホントに面倒だと思った呆れた感じのため息。
西「おぅ、遅かったな!お前も楽しめ」
月「はぁ。じゃあ・・・」
ポスンと私の隣に座り、いきなり肩を抱かれ私は驚いた。
『つ、月島君?!』
月「アレ?僕まだ名前教えてないケド?」
こっちもスイッチ入ってる!!
『あ、そ、そう・・・でしたっけ?あはは・・・』
そのままグイグイと抱き寄せられ、もの凄く近い距離感に目が泳ぐ。
月「キミ、名前は?」
『えっと、あの、紡・・・です』
月「ふ~ん、紡ね。じゃ、紡?」
『は、はひっ!!』
耳元で囁くように言われ、心臓が飛び出しそうになる。
月「なに緊張してんのさ?あぁ、もしかして新人?そんな警戒しないで、もっとコッチ来なよ?」
・・・絶対わざとやってるよ、月島君!!
縁「なんか月島のやつ、妙に慣れた感じがするのはオレだけか?」
菅「いや、縁下だけじゃない。オレもそう思う・・・」
長い足を組み換え、私を更に抱き寄せる月島の堂々たる姿に、ギャラリーと化したみんながコソコソと話していた。
だ、誰が助けて下さい・・・
月「ちょっと、ナニよそ見してんの?紡の今夜の相手は、僕デショ?」
みんなの方を見ていた顔に手を当てられ、クイッと月島君の方へと向けられる。
日「な、なんかエロい・・・」
山「ツッキーはオトナなんだよね!」