第6章 王様ゲーム (2017.8.19 特別番外編)
アレコレ考えるのが疲れてきて、結局ネクタイを付けずに部屋に戻った。
持ち主に聞くのが、1番早いよね・・・
『武田先生、お願いが・・・』
ガチャリとドアを開けて中に入ると、全員がそれぞれに動揺を見せた。
『な、なにか変なとこあるかな?!』
慌てて自分の姿を確認しても、特にネクタイ以外はごく普通・・・
影「城戸、お前・・・下履いてるか?!」
『な、何言ってるの?!履いてるに決まってるでしょ!』
ほら!と武田先生のシャツを捲ってスカートを履いてることを見せる。
菅「紡ちゃん・・・そういうオプションサービスはオレだけでいいか、痛っ!・・・清水!毎回オレの頭叩くのやめろって!」
清「城戸さん、その格好で菅原に近付いちゃダメよ。大ケガするから」
菅「なんでだよ!!」
普段の体育館でのやり取りを見ながら、武田先生が私の肩に手を置いた。
武「それで、僕にお願いって言うのは?」
『あ、そうだった・・・ネクタイって、どうやって結ぶのか分からなくて』
私がそう言うと、ネクタイですか?あぁなるほど・・・では僕がやってあげましょう・・・なんて言いながら、武田先生が私の背後に立った。
武「こうやって、ここを通してクルッとして・・・」
耳元で説明してくれる武田先生の声がくすぐったくて、つい、首をすくめる。
武「あ、動かないで下さい?もう少しですから・・・キュッと締めたら・・・はい!出来ました!」
『うわぁ、慣れた手付きでこんなに簡単に・・・武田先生、凄い・・・オトナだぁ』
振り返りながら言えば、先生は何だか照れていた。
縁「城戸さん、その格好ちょっとヤバめ・・・た、丈が・・・」
木「うわぁ、出た!縁下のムッツリ的なやつ!」
縁下先輩の言葉に、2年生組が騒ぎ出す。
縁「なんでオレがそうなるんだよ!見てみろ山口を!既に瀕死だぞ!」
山「え、縁下さん・・・いまオレに振らないで下さい・・・」
みんなに釣られて山口君を見れば、真っ赤にした顔を隠すように手で覆い俯いている。
武「あはは、僕も山口君の気持ちは分かります。可愛いですねぇ、女の子のこういう姿。えっと、なんでしたっけ・・・彼シャツ、ですか?お持ち帰りして部屋に飾りたい感じですね~」
澤「先生、それやったら犯罪ですから・・・」