第7章 #4~I need surprises in my life
サッと青ざめる感覚を覚えた。
そうだよ、午前中鍛刀してたじゃねえか…!
手伝い札使わずにそのまま出たんだった…
「こんのすけ、走るぞ」
「…了解です」
陸奥守の旦那への礼もそこそこに鍛刀部屋へ走る俺っちとこんのすけ。気性の荒い刀剣男士が顕現して何も知らない大将が襲われでもしたら…と考えると気が気じゃなかった。
「大将!」
「主様!」
万が一を考え、身構えて鍛刀部屋に飛び込むと、そこに広がっていた光景は、予想通り…とはちょっと違うがある意味予感的中、だった。
「薬研くん!こんのすけ!」
「ん?良いところだったのに…」
ほんの数分前。
「さ、皆のところに行きましょう」
「んー、そうだな…」
鶴丸さんは立ち上がって部屋から出ようとするわたしの手を取り、自分の方へ引き寄せた。
「うわっ、ちょっと、何をすr」
「こうして初めて顕現したんだ」
顔が近い。
白くてサラサラの髪がおでこに触れるほどの距離。
あ、これダメなやつだ。
流石にアラサーともなると展開の予想がつく。
「つ、る」
「しーっ」
あ、本当にダメ、これ
離れなきゃ、やばい
「大将!」
「主様!」
現在に至る。
「貴方は鶴丸国永様ですね!」
「おう、いかにも、俺は鶴丸国永だ!」
「…で?その鶴丸国永が大将に何をしてるんだ?」
明らかに不機嫌な薬研くん。
ヤキモチ!?ねえそれヤキモチなの!?
わたしを萌死にさせるつもりですか…!?
「おう、よく聞いてくれたな!」
「俺は主がここに来て初めて顕現した刀剣男士!」
「まあ、そうなるな」
「という訳で初めての口s」
言い終わるより早く、わたしの腕が薬研くんにグイッと引っ張られる。
「ここにはそんな決まりは無いが?なぁ、大将?」
あぁ、怒ってる、これ怒ってますよ…!
薬研くんの明らかに不機嫌な態度を察したのか、鶴丸さんは更に煽るような態度を取り始めて…
「決まりが無いなら今作れば良い!」
薬研くんに引かれた腕と反対の腕を引っ張る彼。
「あ、あの、二人とも…」
「主様が困っております!言い争いは…」
見える、見えるよ…わたしの間に火花がバチバチと…
誰か、誰か助けて…
わたしの心の声が届いたのか、こんのすけが助けを呼びに行ったのかは定かじゃないけど襖が開く音がしたのでそっちを振り向いた。
