第7章 #4~I need surprises in my life
「今日…初めてここで鍛刀させてもらって…」
手伝い札を使わずに別の仕事をしていて忘れていたらしい。初日だ、まあ無理もないんだが…
「ん?今日が初日って言ったな」
「はい、今までは機械越しにここの本丸を運営してたんですが…今日からここで運営する運びになって…」
「…って事は俺が最初の刀剣男士、って事か?」
「はい、そうです…なのに…なのに…」
また目に涙を浮かべて身体を震わせる。
「あーっ、もう泣くな、泣かなくて良いから…!俺は怒ってないだろ?」
「でも初めての顕現で…こんな…」
どうしたもんかな…
「主!」
「はい!」
ガバッと抱き締められた。
一瞬、なにか起こったのか分からなかった。
「…俺が怒ってるように感じるか?」
「…いいえ」
優しく背中をトントンしてくれる手が暖かかった。
彼の感情が流れてくる感じ。申し訳なさでいっぱいだった気持ちが落ち着いていく。
「…落ち着いたか?」
「…はい」
ゆっくりと離れてにっこり笑ってくれる彼。
そーいや、名前聞いてない…
「じゃあ、改めて自己紹介…」
「おう!俺は鶴丸国永、これから世話になる」
「貴方が初めに来てくれて本当に良かった…!」
どうしてわたしはこの時抱き着いてしまったんだろう、後になってめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
初めての鍛刀で嬉しかった、ってのもあったかもしれない。
この軽率な行動が、後々のトラブルを産むことになるなんて思いもしなかった。
「おっ…と……よろしくな、主」
そうか、俺はきみがここに来て初めての刀剣男士か…!
こんなに喜んでもらえるとは思っていなかった。
決めた、俺は一生きみに仕えようじゃないか…!
最上級の喜びと驚きをきみに…!
「…あっ、ご、ごめんなさい!わたしってば…」
顔を真っ赤にしながら慌てて離れるきみを見て
「構わないぜ?俺にいっぱい甘えてくれ!」
すっかり舞い上がってしまった。
何ならこのまま(自主規制)
執務室。
戻らない大将。流石に遅すぎる気がする。
「ちょっと探しに出るか…」
「そうですね、心配です」
こんのすけと執務室から出ると陸奥守の旦那がこちらに気付いた様で側にやって来た。
「おう薬研、さっき主が鍛刀部屋の方に走っていったがやけど、どういた?」
「大将が鍛刀部屋に…?」
『あっ』
