第7章 #4~I need surprises in my life
「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーー!」
執務室から本丸中に響いたんではなかろうか、と言うレベルの絶叫。
行き先も告げず、部屋を飛び出して行った大将。
「…どうしたんだ?」
「さあ…?」
この二人すら忘れている様子。
大将と入れ替わりに叫び声にビックリして飛んできた長谷部の旦那を宥めるのに手間取った。
「やばい、やばいやばいやばい」
すっかり忘れてた。
鍛刀してたんだった-----!
もしかしてあのベルの音、鍛刀完了の合図…!?
午前中に案内された記憶を頼りに鍛刀部屋へ走る。
途中、誰かとすれ違った気がしたけどそれどころじゃなかった。
1人で寂しい思いをさせてるんじゃないか、まさか部屋から出て迷子になってるんじゃないか…!!
就任初日からダメ主だぁぁあ…!
「ん、寝ちまったのか…」
考え込んでいるうちに居眠りをしてしまったらしい。
どれくらい眠ってしまっていたんだろうか。
長いのか、短いのか…
部屋は顕現した時から誰かが入って来た形跡は無い。
俺、もしかして忘れられてる?
「外に出るか…」
立ち上がり、大きく伸びをしていると、こちらに向かって走ってくる足音が聞こえる。
お、お迎えか?
よし、飛びっきりの驚きを…
「ごめんなさい!!!!!」
襖が勢い良く開き、部屋へ飛び込んできた1人の女の子(って後で話したら女の子じゃありません!って言われたけど俺から見たら女の子だったからここは女の子と言わせてもらう)が今にも泣き出しそうな顔で俺に抱き着いてきた。
「おっ!?おお!?」
驚かせてやろうと思っていた俺が逆に驚いた。
抱き着かれた勢いでバランスを崩し、その場に倒れ込んでしまった。
なんだなんだ、積極的な主だな?
「こいつは驚いた、きみがここの主か?」
体勢を立て直し、面と向かって座らせた。
主は俯いたまま顔を上げてくれない。
「…はい、今日から…ここの本丸で審神者をやらせて頂くことになりました…」
声が心なしか震えている、まさか泣いて…!?
「お、おい、泣くなよ…」
「ほんっっっっっとうに申し訳ございません…」
放置してしまったことをめちゃくちゃ謝られた。
ま、それはそれで面白かった(話のネタ的に)から俺は気にしないんだが彼女はそれが許せないらしい。